愛着タイプ 安定型の特徴
各タイプ別の詳細解説ですが、最後に安定型についても一応触れておきましょう。笑
乳幼児期を対象として行われた実験では、母親が子どもを残して部屋を出たあとの子どもの反応と、しばらくして母親が戻ったときの子どもの反応を見て愛着タイプを判別します。
安定型では、母親がいなくなったことに気づいて、不安そうにしたり場合によっては泣きだしたりします。
しかしこのタイプでは、母親が戻るとすぐに安心して気持ちを落ち着かせることができ、またすぐに創作活動に戻ることができます。
このタイプでは、大人になったとき、必要なタイミングで他人と適切に心を通わせることができ、助けを求めたり、逆に困っている人には自然に手を差し伸べることができます。
基本的に情緒が安定しており、不安感や恐怖心が少ないことが多いです。
また、人生で必要なタイミングで、様々なことにチャレンジしていくことができるので、チャンスを掴みやすかったり、出世したりすることが容易になります。
恋愛においても、ほど良い距離感を保ちながら、相手と自然に心を通わせていくことができるので、永く良質な関係を築きやすいです。
もちろん相手が不安定型のいずれかになる場合はこの限りではありません。
類友原理で不安定型同士の方が最初は共鳴しやすいということが多いですが(特に恋愛において共感はとても重要なきっかけになるため)、不安定型の方こそ、相手に安定型を選ぶことで、生産的で安定した関係を築きやすくなります。
不安定型の様々なタイプについては過去記事で書いておりますので、
まだご覧になっていない方は下記からどうぞ♪
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愛着タイプ④未解決型の特徴と対策
ここまで細かく分けると逆にだんだん分かりづらくなって来ますが、
おさらいすると、大きく分けて愛着タイプは安定型と不安定型があり、不安定型の中に、不安型と回避型という大きな二つのタイプがあります。
根本的には同じで、愛着が不安定で人に対する信頼がなく、恐怖心や不安感が強く、人と自然に上手く関係を築けません。
さらに細かく見ていくと恐れ・回避型という、不安型と回避型のあいだのようなタイプがいたり、今回のテーマ、未解決型と言われるタイプが存在します。
一応、これが最後の分類となりますので、他タイプついての記事をまだ読まれていない方は読んでみてください^^
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さて、最後の、未解決型ですが、他のタイプが愛着にトラウマを抱えたきっかけや経験を過去のこととして捉えているのに対し、未解決型では生々しく、まだその出来事を引きずっています。
故に、トラウマに関連することとなると急に感情的になったり、不安になったり、攻撃的になったりと情緒が不安定になりがちで、このトラウマについて冷静に話しをすることが困難であったり、例えば大切な人との離別を経験してトラウマになっているようなケースで、別れの場面が著しく苦手だったりします。
傷が癒えていないというか、まぁ他のタイプも「癒えている」とは決して言えませんが、、
他のタイプが、事故による後遺症を抱えているイメージだとすると、この未解決型は、まだ出血中という感じでしょうか。
表現の特徴としては、人によって不安型と回避型のどちらもあり得ます。
不安感が強くてべったりに見える方もいれば、他人を拒絶しているように見える場合もあるということです。
したがって、不安型(未解決)、回避型(未解決)という分類の方がいいかと思うのですが。笑
とにかく、このタイプはまだ過去の出来事(虐待・死別等々)を乗り越えていないので、愛着の安定云々というより、まず先に、または平行してトラウマの克服を促していく必要があるでしょう。
先にとりあえず血を止めてください!ということです。笑
では、また~♪
愛着タイプ③恐れ・回避型の特徴と対策
このタイプは「不安型」と「回避型」のミックスと言えます。
両方のタイプの特徴を併せ持っています。
まだ、不安型、回避型についての記事を読まれていない方は読んでみてください♪
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恐れ・回避型の方は、心の中では不安感が強く、人との繋がりを求めているのに、求めすぎるが故、恐怖心から人を拒絶するような側面が見られます。
といっても、回避型でも心の奥底では人との繋がりを求めていると私は思っているので、突き詰めれば同じかなと思います。
回避型が、本能や無意識で人を求めているとすると、この恐れ・回避型はより表面的な意識的なところで分かりやすく求めているとでも言いましょうか。
結局、根本はどのタイプも同じで、表現の仕方が違うというだけなんですよね。
個人的な感覚ですが、不安レベルで言ったら回避型が一番高いのではないか?と考えています。
不安感、恐怖感が強すぎて、もう求めることを諦めてしまった(ように見える)のが、回避型。
口では諦めたと言っているけど、心の中では葛藤があり、それが時々表にも表れるのが、恐れ・回避型。
まだまだ諦めていなくて、素直に求めるだけの余力があるのが不安型。
イメージではこんな感じです。
希望的観測ですが、そう信じさせてください。笑
よって、このタイプの対策は回避型と大差ありません。
回避型の簡単Ver.とでも言いましょうか。笑
といっても、簡単というわけではなく、信頼関係を構築していくためには地道な努力が欠かせません。
安定型の人であれば、多少のミスは多めに見てもらえますが、相手が不安定な愛着を持っている場合、一度の失敗が命取りになりかねません。
辛いですが、肝に銘じて、間違っても感情に任せて相手の信頼を裏切る、またはそう思わせるようなことがないように細心の注意をしていきましょう。
万が一、相手を不安にさせてしまったな、と気づいたときには、すぐに訂正してフォローしていくことが大切です。
「あのときは○○で余裕がなくて、あんなこと言ってごめんね」
という感じでOKです。
相手を責めるようなニュアンスが入らないようにしてください。
しかし、これはあくまでも事故的に、やむを得ずそうなってしまった場合の対応方法なので、間違っても相手の不安を意図的に煽って優位に立とうとしたり、コントロールしたりしようとすることはやめましょう。
以上、不安と回避が混在する一見複雑な、恐れ・回避型のタイプでしたが、基礎を忘れず、落ち着いて対応していきましょう^^
愛着タイプ②回避型の特徴と対策
前回、不安型の解説でしたが、今回は真逆のタイプとも言える回避型です。
前回と同じく、乳幼児を対象として行われた実験で、母親が子どもを残して部屋を出たあとの子どもの反応と、しばらくして母親が戻ったときの子どもの反応を見て愛着タイプを判別します。
回避型では、母親がいなくなったことに気づいても、表面的には泣いたり怒ったりせず、落ち着いているように見えます。
しかし心拍数などを測定すると、脈が速くなったり、身体的な変化が確認されたというデータもあります。
このタイプでは、母親が戻っても無反応で、喜んだり、泣いたり攻撃したりという態度は見られません。
一見すると無関心に見えるのですが、あくまでも表現が見られないということです。
親の特徴としては、基本的に子供に対して拒絶的な応対や、ネグレクトが多いと言われます。
このタイプが大人になると、他人と心を積極的に交わせるような深い関係になることを避けようとする傾向があります。
表面的で、浅い付き合いを好み、プライベートなことに踏み込まれることを嫌います。
恋愛となるとどうしても深い関係を求められるので、あえて身体だけの関係を好んだり、永い付き合いを苦手とする特徴があります。
関係が深くなり、心の距離が近くなってくると、圧迫感や嫌悪感を感じて逃げたくなるのです。
ときにはそれが、相手の○○が悪いからだ!と原因を相手に転嫁して(本人は自覚なし)、突然冷めたり嫌いになってしまうこともあります。
このタイプの方とのお付き合いの対策は、付かず離れずの距離で、見守る姿勢が大切です。
相手が求めて来たら受け止めるという姿勢です。
現実的にはこの距離感ってすごく難しいし、恋人として当然と思われる程度の欲求も満たしてもらえないことが多いので、お付き合いをしていこうと思ったらこちらに相当な心の余裕が必要です。
リフレッシュしながら、期待せずに、ほど良い距離感でいることを心掛けましょう!
余談ですが、私が現在お付き合いしている人もこのタイプなので、また回避型の傾向と対策については改めて書いていきたいと思います♪
愛着タイプ①不安型・アンビバレント型の特徴と対策
乳幼児を対象として行われた実験では、母親が子どもを残して部屋を出たあとの子どもの反応と、しばらくして母親が戻ったときの子どもの反応を見て愛着タイプを判別します。
不安型では、母親がいなくなったことに気づいて泣いたり怒ったりしてパニックになり、母親が戻ってもすぐには落ち着かず、母親を攻撃したりします。
大人でこのタイプ示す人は、見捨てられ不安が強く、他人と常にべったりとした心の距離の近い関係を好みます。
離れていると不安で常に連絡を取りたがったり、他のことに集中できなくなったりします。
また、初対面の人でも仲良くなりたいと思ったら急激に距離を縮めるので、相手によっては引いてしまうことも…。
不安感から嫉妬心や独占欲も強い傾向にあるため、依存対象者が、他の友人や自分の知らない世界で楽しむことが受け入れられず、責めたり、怒ったりすることもあります。
一方で、相手に受け入れてもらえないと感じると、急に連絡を絶ったり、距離を置こうとしたりします。
相手はそのアップダウンに疲れたり、呆れたり、または理解できないという状態になり、関係が破局という結果になりがちです。
相手に愛想を尽かされてしまうと、また捨てられた!誰も信用できない!と益々不安感を強めて悪循環に陥ってしまいます。
このタイプと近しい距離にいる方の対策としては、とにかく相手はいつも不安なんだ、ということを理解して、できる限り安心させてあげることを心がけることで、少しずつ落ち着いてもらうしかないんですね…(時間もかかるし、根気は必要です)。
とはいえ、振り回されて疲れて投げ出してしまうことになっては、相手を上記のような悪循環に追い込んでしまうことになりかねないので、いつも相手の言いなりになったり、100%要望に応えようなどと思う必要はありません。
どこにも行かないよ!ということを伝え続けながら、締めるところは締めるという良いバランスが大切です。
実際やるのは本当に大変なんですけどね、、、。
では、また♪
愛着障害ってなに?
愛着障害という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
近頃はメディアなどで取り上げられることも多くなったので、私のブログの別テーマでもある発達障害と同様、以前よりは広く世間に認知されるようになってきたかなと感じています^^
障害という言葉だと少し語弊がありそう…
と個人的には思っていますが、
簡単にまとめると…
器質的・精神的に何か重大な疾患があるということではく、他人との距離の取り方の個人の特性を現したものです。
そしてこれがいくつかのタイプに分けられていて、それは主に生育環境などによってある程度決まってくると言われていますが、何かをきっかけに大人になってから変わることもあります。
また複数のタイプが併存していたり、一時的に別のタイプの特性を示すようになるなど、ある程度流動性があるものです。
このタイプを大きく分けると、
★安定型
★不安型
★回避型
の3つになりますが、
不安型と回避型の混合タイプで、
★恐れ・回避型
と言われるタイプや、
ある場面においてのみ不安型の傾向を見せる
★未解決型
というタイプもあります。
ざっくり言うと、
安定型は他人と、ほど良い距離感を保つことが自然にできるタイプです。
不安型は、他人と距離を詰めすぎる、または受け入れてもらえないと感じると、急に縁を切ってしまうなど極端な距離の取り方をします。
回避型は、他人と深く心を通わせることが苦手で面倒に感じてしまい、必要なタイミングで、自然に他人と関わっていくことが難しいタイプです。
それぞれの詳しいタイプについては、別の記事で書いていきたいと思います♪